前回記事に拍手ありがとうございます!
昨日ヒトリ新ゼロ鑑賞始めましたが、気がついたらエンディングでした(^_^;)
寝ていた…。
ワタクシ事はこの辺で。
連載10話です。
続きからどうぞ。

「ここにいたんだ」
お昼過ぎの家のテラスには、冬の終わりの弱い日差し。
ジョーはテラスに横になり、ウトウトしていた。
昨夜は寝ていない。
そこにピュンマが現れた。
身体を起こす。
「あ、寝てた?」
ピュンマはジョーの隣に腰を下ろす。
朝方殴り、殴られた事が嘘のように穏やかな時間。
「ピュンマ…ごめん」
何事もなく接してきたピュンマに最初に謝ったのはジョーだった。
「え?何で?悪いのはぼくの方さ、いっくらキミの本心が知りたいと思っても、あれはダメだよね?」
いつもは的確な指示を出し、完璧で失敗などないピュンマにしては珍しい不完全な計画だったと、ジョーは心の中で笑う。
「キミも博士達と同じだよ」
「え?」
「フランソワーズには甘いんだよ」
ピュンマがジョーを見ると、ジョーは僅かに口角を上げていた。
「そりゃあね、妹みたいなものですから…じゃあさ、ジョー、キミはどうなのさ」
いつもならこの辺りではぐらかされるから、ピュンマも先の言葉には期待していなかった。
もっともここで彼が本心を語ったとしたら、フランソワーズ行方不明の茶番劇だってやる必要もなかっただろう。
「怖かったんだ」
「え?」
はぐらかされるどころか、思ってもいない答えにピュンマは首を傾げる。
「彼女の優しさが…怖かったんだ」
「怖い?」
「今までの自分には甘い言葉をかけてくる人も、優しく接してくれる人も沢山いた。でもそれは本当の優しさではなかった…
信じていたのに裏切られた時の喪失感が…今でも忘れられないんだ…だから…」
しばらくの沈黙の後ピュンマが口を開く。
「うん、わかるな、その気持ち」
ピュンマの言葉にジョーは顔を上げる。
「ぼくも昔はそうだった。優しさなんて偽りだと思っていた。貧しい国に手を差し伸べてくる人々はみな見返りを求め、また国を貧しくして去っていく…綺麗事ばかり並べたてて…」
「ピュンマ…」
「でも悪いやつばかりじゃなかった。少なくともこの家に集まってくる奴等は、みんな偽りはないと思っている」
「…うん」
「過去が今を苦しめる事もあるかも知れないけれど、この先裏切られる事もまだあるかも知れないけれど、ここには、この場所にはそんな悲しいことはないと思う。もうみんな充分苦しんだんだから」
「…そうだね」
笑いあう2人の間に流れた風は穏やかだった。
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