前回作文に拍手ありがとうございます。
ちょっと時間が開いてしまいましたが、最近憂鬱なニュースばかりですので、明るめな作文を。
今年のバレンタイン作文の長いバージョンです。
これをバレンタインにやりたかった…
ホワイトディまでには…何とか…
作文に登場する「若柳卓也」
どこから持ってきたでしょうか?
(苗字と名前違う所から持ってきています)
それでは始めます。
今回長いです。
続きからどうぞ

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ある日のコズミ博士の研究所
フィリップは研究室からフロアに戻る。
フロアには沢山のデスクが並び、所員が事務作業をしている。
フィリップのデスクの隣は美香のデスクだ。
「佐伯さん…終わった?」
フィリップは美香に尋ねる。
「ここにみんな入っていますから」
美香はフィリップにUSBを渡す。
「ありがとう!佐伯さん!助かりました!ごめんね、キミの仕事遮っちゃって」
「いえ、いいんですよ、私は元々フィリップさんの助手でしたから」
「今では負けそうだけどね」
フィリップが肩をすくめる
「何を言っているのですか!あなたは私の目標なんですから!頼みますよ!」
同期入社の女子社員は結婚退職や転職などで残ったのは美香だけだ。
フィリップを目標としてフィリップの助手としてがむしゃらに頑張っていた。
最近専用の研究室を持った。
それでもまだ美香はフィリップの足元にも及ばないと考えていた。
その時
フロアに見慣れない人が入って来た。
その人がこちらに歩いてくる。
「おー、フィリップ!久しぶりだな!」
「若柳!帰っていたのか!」
フィリップはその男を「若柳」と言った。
イケメン…の部類には入るが、なんとなく爽やかではなく「男」が漲るタイプで、美香は苦手だなと瞬時に思った。
「こちらの女性は?」
若柳がフィリップに聞く
「佐伯美香さん、ここの研究員だよ」
いつも苗字でしか呼ばれないからか、フィリップから「美香」という言葉が出るだけで美香はドキっとした。
「美香…美しい。俺は若柳卓也、フィリップの大学時代の友人だ、よろしく」
いきなり名前を呼び捨てにされ、美しいまでつけられて…
この日本人は目の前のフランス人が一生かけたって言わないだろうセリフを出会って30秒も経たずにしらっと言い切った。
信用できない!
美香は心の中でバリアーを張る。
若柳は美香に手を差し出した。
握手を求めているのか?
フィリップの友人となれば無下にも出来ず渋々手を出すと、すかさず手を引っ込めて、美香の手のひらにキスをする。
「な!」
美香が驚いて手を引っ込めると
「失礼、あまりの美しさについ」
悪びれる様子もなく謝る。
「ごめん、佐伯さん、コイツアメリカ帰りなんだ。あと友達と言っているけれど、大学時代ゼミが一緒だっただけだから」
フィリップが美香に謝っていると、また1人フロアに入ってきた。
「あれ?卓也か?」
若柳もその姿を見つける
「島村先輩!お久しぶりです!」
こっちとも顔見知りー?
美香は混乱する。
童顔なのか外見は10代にも見えるジョーと男全開の若柳
どうみても逆のような気がするが、若柳はジョーの後輩らしい。
「島村先輩、しばらくお世話になります」
「お世話?」
ジョーの前に美香が反応する。
「おぅ!若柳クン、早かったな」
「所長!お久しぶりです。この度はありがとうございます!」
若柳は所長に頭を下げた。
「こっちこそ助かるよ!人手不足でね、いいのかい?こんな小さな研究所で?」
「コズミ博士にお会い出来るのなら最高の職場ですよ」
「ちょ…島村さん、これはどういう事なんですか?」
美香が輪から外れジョーを呼ぶ。
「僕もよくわからないけれど、若柳はアメリカで研究をしているって聞いていたから…日本に戻ってきてここで働くんじゃない?」
「えー!?あの人が毎日ここに?」
美香が大声を上げる
所長の輪が美香を見ている。
所長は美香に向かい笑顔で
「そういう事だ、佐伯さん色々よろしくな!」と言う。
若柳も
「美香、これも何かの縁だ、よろしく頼むよ」と白い歯を見せて笑う。
ジョーも笑いながら
「佐伯さん、卓也に気に入られたみたいだね」と茶化す。
「もう、やめて下さい」
美香はチラッとフィリップを見た。
フィリップは若柳に圧倒されながらも表情は穏やかだった。
「卓也の存在がフィリップの心を動かすきっかけになるとすれば?」
ジョーがぽつりと呟いた。
美香はジョーの横顔を見た。
「今…何を?」
「わかっているくせに」
ジョーは美香に意味深な笑みを残し、所長の輪に戻った。
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