前回記事と作文に拍手ありがとうございます!
頂いたコメントから面白そうだと書いた作文です。
前回書いた作文のその後になります。
色々詰め込み過ぎた感です。
オチ…ないです(^_^;)
それでもよかったら
続きからどうぞ
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「いいお天気」
フランソワーズはテラスに出て、青い空と穏やかな海を眺める。
暑かった夏がいつのまにか去っていた。
海水浴客もいなくなった海は、サーファーのためだけにあるかのような。
いつものように夏から秋へ変わっていっていた。
いつもと違うのはフランソワーズだけなのかもしれない。
ため息ひとつ
有事の時はあんなに優しかった彼が
このテラスでも目の前の浜辺でも
沢山の話をしていた彼が
笑顔を向けてくれていたはずだった彼が
事件もなく、生活を脅かされる事もなくなり
みんながそれぞれの故郷に帰り始め
2人きりになった途端
会話がなくなった
一緒に散歩すらしなくなり
出かけてもどこにいるのかさえ分からなくなった
避けられている…と強く感じる
話しかけても素っ気なく
時には冷たい態度を取られたら…
ここにいてはいけないのかな…
そんな事を考える
帰って欲しいのなら…
きちんと言ってくれたらいいのに
「帰ろうかな…」
空に呟く
先程まで青空だったのに
雲の流れが早くなり
鉛色の空に変わるのはあっという間
「雨だわ」
外に干していた洗濯物を慌てて取り込む
車が入ってくるのが見えた
ジョーが帰ってきた
緊張する
また素っ気なくされる?
冷たくされる?
部屋に入ってしまおうか
抱える洗濯物を見て諦める
車は駐車場に入ったのに、帰ってくる様子がない
雨は本降りになってきた
駐車場から玄関までそれほど濡れずに来れるのにどうしたのかと心配になる
傘を持って駐車場に行こうとした瞬間
ドアが開く
「うわっ!」
「きゃっ!」
お互い驚いて声を上げる
「「どうしたの?!」」
ほぼ同時に同じセリフ
「びしょ濡れじゃない!今タオル持ってくるわね」
タオルを取りに行こうとした腕を掴まれた
「?」
「時間が経つとまた決心が鈍るからさ…」
濡れた髪から滴が垂れる
「もう自分の気持ちを押さえつけているの限界なんだ…」
フランソワーズは何の事か分からず無言でじっとしたまま
「キミが…好きだ!」
「え?」
フランソワーズはジョーの口から出た言葉が信じられずにいた
あんなに素っ気なかったのに
あんなに冷たかったのに
何?
ジョーは恐る恐るフランソワーズの顔を見る。
表情が変わらない様子に、好意を寄せていたのは自分だけだったんだ…と思い始めた。
車から降りてはみたものの、気持ちの整理が出来なくて、わざと雨に打たれてみた。
会話の糸口を作りたかった…というのもあった
なんだ、独りよがりだったのか
なんだか恥ずかしくなってきた。
「ごめん…困らせて、今の言葉忘れて」
そう言うのが精一杯で…
その瞬間
フランソワーズがジョーに身体を預けてきた
ジョーが戸惑う。
「キミまで…濡れちゃうよ」
「忘れないわ…絶対に!」
フランソワーズを抱きとめた形のジョーはフランソワーズの表情をみる
「忘れないから」
その目には涙
「フランソワーズ?」
「あなたが最近素っ気なくて、話しかけても冷たくて…わたしがここにいるのは迷惑だと思っていたわ」
「ごめん…好きになっちゃいけないって…ずっと自分の気持ちを押さえつけていた」
フランソワーズが顔を上げると
「もう…ガマンのゲンカイ」
ジョーはそう言うとフランソワーズの髪に手を入れた
フランソワーズは目を閉じた
ジョーの押さえつけていた気持ちが溢れ出す
フランソワーズの顔にジョーの濡れた髪がかかる
フランソワーズは両手をジョーの背中に回し、シャツを掴む
雨で濡れたせいかひんやりとした
「キミまで濡れちゃったね…」
唇を離したジョーが耳元でささやく
きつく抱きしめられたから、フランソワーズのワンピースもひんやりしていた
ジョーが身体を離したかと思ったらヒョイとフランソワーズをお姫様抱っこした
「ちょっと…ジョー!」
フランソワーズは恥ずかしくなり抗議する
「このままバスルームへ直行します」
ジョーはにこりと笑いながら濡れた靴のまま廊下を歩く
「ちょっと!ねぇ、降ろして!」
「嫌だね」
「タオルと着替え!」
フランソワーズの声など全く聞いてないジョー。
後でフランソワーズに怒られるのでありました…。
おしまい
(え?)
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