あれから1年になる。
七夕の夜、彼女はフランスに帰った。
夢を叶える為に。
そして1年後
僕はフランスにいた。
ちょうど彼女の公演中で、舞台を見る事が出来た。
1年前、夢を叶えたいと僕の手を離し旅立った彼女。
自分はあれから何も変わっていないのに、彼女は舞台の上で輝いていた。
1年前より…
とても綺麗だった。
何度も会いたいと思った。
最初は来ていた連絡もだんだんと少なくなった。
きっと忙しいんだろう。
自分の存在は彼女を不幸にするだけだからと、離れた空から成功を願っていた。
客席が拍手に包まれる中、僕は席を立つ。
ホールを出ると、夜空には星が光っている。
七夕の夜に、異国ではあるが、彼女に再会出来た。
それだけで…いいんじゃないかな?
何故ここにいるかなんて
彼女に会いに来た本当の理由なんて…
「まって!ジョー!」
まだメイクはそのままで、衣装の上からパーカーを羽織っただけの彼女が走ってきた。
「久しぶり、元気そうで…よかった」
「見に来るなら連絡くれたらよかったのに…」
「うん、急用のついでに寄ったから」
「ごめんなさい、今日はこれから打ち上げがあるの。まだ滞在しているなら、明日でも時間を開けるわ」
「そう、でもそう長くいられないんだ」
「今日は七夕よね!去年の約束をあなたはちゃんと覚えていてくれたのね!」
1年前、彼女が旅立つ日
織姫と彦星みたいに、1年後再会しよう…
ごめん、去年の約束なんて忘れていた。
違うんだ、今、ここにいる理由は…。
「見に来てくれてありがとう、落ち着いたら連絡するわ」
連絡しても…
僕はもうそこにはいないと思うよ
「元気で」
「じゃあまた!」
さよなら…
ジョーはフランソワーズの後ろ姿をいつまでも見ていた。
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