年が明けた
広いリビングのあちこちで酔い潰れて寝てる人達。
こんな賑やかな新年を迎えられるとは思わなかった。
フィリップにとっては助っ人だったのかもしれないが、フランソワーズはゲストとして扱ってくれた。
彼女には敵わない
フィリップが彼女に夢中になる訳もわかる
だから
美香はフィリップの寝顔を見つめていた。
日の出前
寝ていた筈のジョーがむくっと起き上がる。
美香は慌てて寝たフリをした。
薄目を開けて様子を伺う
しばらくすると自室にいた筈のフランソワーズの姿が見えた。
先程まで寝ていたフィリップが目を覚ます
「あ!」
美香が思った時には既に遅く、フィリップはテラスにいるフランソワーズに気づく
フィリップが起き上がり、テラスに向かって歩き出したので、手前で腕を引っ張り、キッチンのカウンターの影に押し込める
「な!何を!…佐伯さん?」
「だめ!今行っちゃ!」
フィリップは美香を見た。
フィリップの腕を握り、至近距離でいる事に美香は全く気づいていない。
フィリップはドキッとした。
「佐伯…さん?」
「あ!」
フィリップに声を掛けられて我に返った美香は、フィリップと至近距離にいる事実に顔を赤らめた。
俯いたままポツリと
「島村さんとフランソワーズさんの邪魔をしちゃダメ」と呟く
フィリップはテラスの先にジョーがいる事に気づき、グッと拳を握る。
あの2人の間には誰も入る事など出来ないのに。
あなたには見えないの?
こんなに近くにいるのに
いつも近くにいるのに
私はここにいるのに
なんで気づいてくれないの?
美香は心で叫ぶ。
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