前回記事に拍手ありがとうございます!
昨日もちらっと話しましたが、明るい梅雨話別バージョンを思いついたので、載せておきます。
「1」だよね笑
ま、そんな訳で
続きからどうぞ
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「あら、雨が降ってきたわ…」
フランソワーズは窓に落ちる雨を見ると、壁の時計に視線を移した。
「そろそろかしら?」
支度を済ませ、真新しい袋から1本の傘を取り出した。
外に出るとパンっ!と傘を広げる。
一目惚れした傘
白地に青や紫の紫陽花が散りばめられた傘は
雨が当たると紫陽花が彩りを増すようだった。
雨の日は洗濯物が大変とかお気に入りのワンピースが濡れてしまう…
そんな事ばかり考えていたけれど、この傘を買ってから雨の日が待ち遠しくなっていた。
偶然を装うのは少し不自然かもしれないけれど、駅に向かう足取りは軽かった。
彼はきっと傘を持っていない。
この傘は2人でも充分なくらい大きいから…
改札から人が溢れ出してくる。
カップルがひとつの傘に仲良く収まり走っていく
「あー!雨だよ!最悪!」
傘を持っていないのかそう独り言を呟くとそのまま飛び出す学生の姿
そしてその先で改札をくぐる人の姿
「フランソワーズ?どうしたの?」
「用事があって丁度通りかかった所なの」
「偶然だね」
驚くジョーにフランソワーズはにっこりと笑う
「傘持っていないでしょ?」
「アタリ!電車に乗っている時雨粒みて『あーあっ』って思ってたとこ!」
「傘これヒトツなんだけれど…家までなら大丈夫よね」
最初から傘を2つ持ってくる気はなかった。
お気に入りの傘だから
ちょっと大きいから
一緒に入りたかったから
会えなかったら…とかまっすぐ帰って来なかったら…などとは考えなかった。
偶然を装ってさりげなく…
この人は気づかないと思うけれど。
駅の出口で傘を開こうとした瞬間さっと手が伸びる
フランソワーズは驚いて手を止めた。
ジョーが開こうとした傘を静止するかのようにフランソワーズの手に手を重ねる
「ほら」
そういうともう片方の手で空を指す
「雨、もうすぐ止みそうだからさ、雨宿りしていかない?」
「え?」
空を指した指は駅前の最近できたカフェ。
「キミ行きたいって前に言っていたよね?」
テレビでさらっと紹介していたカフェを「行ってみたいわ」と呟いただけなのに、
彼は覚えていてくれていた。
ただの雨宿りの理由かもしれないけれど
それでも嬉しい。
一緒の傘の中過ごしたいという夢は叶いそうもないが、
カフェで話しながら雨上がりを待つのも楽しい。
「ワッフル食べたいって言っていたよね?」
ジョーの言葉に頷きながらも
ワッフルなんてどうでもいいの
あなたと一緒に過ごせるだけで…
口に出せない言葉を心の中に押し込めた。
Happy Rainy Day
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