「ねぇ、また会ってくれる?」
めんどくさい
「先の事はわかんねーよ」
絡めている腕を解く
「待ってよ!ジョー!」
女はどんどん先を歩くジョーに 着いて行く。
「今日のレッスン厳しかったわね」
「毎日これじゃ気が参るわ」
「もうすぐ公演よ!一般のバレエ団関係者も見にくるらしいわよ!スカウトの可能性もあるんだから、頑張りましょうよ!」
「フランソワーズはいつもポジティブよね」
「練習も真面目、成績も優秀、きっとたくさんのスカウトが来るわね」
「そんな事はないわ、私なんてまだまだよ」
桜並木を歩く男と女
桜並木を歩く女子学生のグループ
すれ違う
風が舞う
桜吹雪にふと立ち止まる
「え?」
「何?」
その声は
男の耳に
女子学生の1人の耳に
確かに聞こえた
ウンメイニハサカラエマセン
すれ違いざまに振り返る2人
「ジョー、どうしたの?」
「フランソワーズ、どうかした?」
「いや、何もない」
「なんにもないわ…風のイタズラかしら?」
そして2人は逆らう事の出来ない運命に翻弄されるのです。
立ち去ると風も止み
散った桜が道路で舞い踊り
パタリと止まる。
おしまい
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