前回記事と過去作文に拍手ありがとうございます!
「そういう」季節なので、こんな作文を書いてみました。
この作文の解説を
ここに載せています。
お時間あったら覗いてみてください。
それでは続きからどうぞ
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「ちょっと付き合って欲しいんだけれど」
フランソワーズはジョーに言われ、車に乗る。
車は海岸線を通り、街を抜ける。
賑やかな景色が段々と静寂に変わる頃
林を抜けた先に開けた景色
そこに車を止めると、2人歩き出す。
黙ったままのジョーの後ろを歩くフランソワーズ。
手には途中で買ってきた花
この場所は日本人でないフランソワーズにもどんな所か理解していた。
だからこそ言葉が出て来なかった。
ジョーは手慣れた様子で水を汲む。
そこには沢山の墓
その墓に視線もくれずに真っ直ぐ歩く先にあったものは
一際大きな墓だった。
墓…というより巨大な石碑には、沢山の花と線香が供えられていた。
「かあさん、久しぶり」
ジョーの言葉に花を買った時からの何となくが確信となる。
フランソワーズは手に持っていた花を供える。
ジョーは線香に火をつける
静かに手を合わせると、ジョーはフランソワーズの方を振り返る。
「これは共同墓地なんだ」
「…お母さんが眠っているのね」
「うん、知ったのは2年前くらいなんだ。
施設にいた頃の関係者に偶然会う機会があって…
その時に母親の遺骨がある寺を教えてもらったんだ」
ジョーは再び墓に向かうと周りの雑草を抜き始めた。
「知った時引き取ってちゃんとした墓を建てようって思ったけれど…
守れる自信がないから、ここのお寺に引き続き世話になっているんだ」
彼の唯一の肉親を目の前にして、フランソワーズの胸が熱くなる。
ジョーと代わり墓の前に立つフランソワーズ。
頭を下げる
「ジョーを…産んでくださってありがとうございます。」
ジョーはその言葉に込み上げるものを堪えた。
空を見上げ深呼吸する。
「元気だったかね」
声をかけたのはこの寺の住職。
「ご無沙汰しています、いつもありがとうございます。」
ジョーは住職に頭を下げる。
「いや、お礼を言うのはこちらの方だよ。
色々気にかけてもらってありがとう」
住職はフランソワーズの方を見た。
にっこり笑うと
「綺麗なお嬢さんだね、お母さんもきっと喜んでおられる」と言いその場を離れた。
「さ、行こうか」
ジョーがフランソワーズの肩に手をかけた。
「ありがとう」
ジョーの言葉にフランソワーズは黙って頷いた。
ジョーが上げた線香の煙が真っ直ぐに空に向かって伸びていた。
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