シャルルドゴール空港からベルリン空港までは1時間半強。
離陸したと思ったら、すぐ着陸だ。
それでも国境を越えるのだから、ヨーロッパの混雑具合が理解できる。
ベルリン空港の入国ゲートには、アルベルトが待っていた。
「ようこそ、ベルリンへ」
フランソワーズはニコッと微笑む。
「久しぶり」
軽くハグをする。
「ジョーは元気だった?」
「あぁ、ミュンヘンに向かったよ、しかし、お前ら、いつから会ってないんだ?」
「…1ヶ月位…かしら?」
「連絡してるのか?」
「業務連絡なら」
フランソワーズが肩をすくめる。
「全く、お前らは…」
「だって、ロシアで人工臓器学会があって、行っている間に、私はフランス行ったから。」
「今回は何の帰省だ?」
「友達の結婚式よ、見事に行き遅れちゃった」
舌を出す。
「まぁお前らもお互い忙しくてのすれ違いなら仕方ないか…クリスマスはゆっくり過ごせばいい」
「ええ…ホテルに荷物置いて行っていいかしら、あと、兄さんからアルベルトにって」
「いつも悪いな」
シャンパーニュを2本。
「兄さん、あなたと飲みたいみたいよ、時間あったらバリに行ってあげてよ、そんなに遠くないんだから」
「そうだな」
荷物をホテルに置くと、2人はベルリン国立観劇場に向かう。
「ベルリン交響楽団の演奏で、ベルリン国立バレエ団の踊りが見れるなんて贅沢よね」
フランソワーズははしゃいでいる。
「ジョーが連れて行ってやればいいんだ」
はしゃいでいるフランソワーズを盗み見しながらアルベルトは悪態をついてみる。
「彼には芸術はわからなくてよ、やっぱりこういうのは芸術がわかる人と観たいわ。」
「くしゃみしてるな…絶対」
2人顔を見合わせ笑う。
国立劇場でバレエを鑑賞し、アルベルト行きつけのレストランで食事をする。
「今日は付き合ってくれてありがとう」
「どういたしまして、俺も久しぶりに楽しませてもらったよ」
クリスマスが近いからか、バレエの演目はくるみ割り人形だった。
「ベルリンのマーケットに寄って帰ろうかしら」
「暗くなる前にホテルに入らないと…」
アルベルトが制すると
「まるでお兄ちゃんみたい」
と、フランソワーズが笑う。
「そうだな…そんなもんだ」
アルベルトも笑った。
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