「ジョーさん…ですよ?」
フィリップはフランソワーズがふざけているのかと思っていた。
「知らないわ」
ケンカしてる…風でもなく、本当に知らない感じだった。
これは
もしかしたら
夢!
そう!夢を見ているんだ!
「僕とフランソワーズさんは…そのぉ」
夢なら思いっきり楽しめばいいんだ。
「私が日本に留学している時、あなたも日本にいたんじゃない。何言っているの?」
「じゃあコズミ博士やギルモア博士は?」
「私達がお世話になっている博士達じゃないの」
あ、この2人はいるんだ。
じゃあ
「ジェットさんは?」
「あの人、嫌い」
ほぉ、ジェットさんはいる世界か。
まぁ僕の夢の中だからね。
質問ばかりで不機嫌になってきたフランソワーズに、もうやめておこうと話を終わらせる。
「お弁当作ってきたの!日本で覚えたおにぎりよ!」
きっとジョーさんの為に覚えたおにぎりなんだろうな…
ここでは彼の記憶はなくて、僕の為に作ってくれている…
フィリップは複雑な気持ちになった。
故郷の桜の樹の下で、大好きな人とおにぎりを食べる…
なんて幸せなんだ。
「もう、フィリップさん、ご飯つぶがついているわ」
そう言うとフランソワーズの手がフィリップの頬に触れる。
取ったご飯粒をパクっと口に入れた。
か…可愛い…。
フィリップが笑うとフランソワーズも笑う。
「フィリップさん、目を瞑って…」
え?
え?
それって…
フランソワーズの言うとおりに目を瞑ると、ものすごーく期待したフィリップの鼻に何かが刺さる。
「⁈」
鼻に手をやると、鼻の穴に何かが刺さっている。
「は?」
目を開ける。
「目覚ましちゃったか」
かなり至近距離でジョーが笑う。
鼻に刺さっているものを抜く
「かっぱえびせん…」
「もぅ、ジョーやめなさいよ!食べ物で遊ばないの」
後ろでフランソワーズの声がする。
夢が覚めた。
目覚めの瞬間が至近距離のジョーだった事と、いいところだったのに両鼻かっぱえびせんを刺されていた事にかなり不機嫌になる。
「場所取りご苦労!もうすぐみんなが集まるから」
ジョーは不機嫌なフィリップには構わず、笑いながらビールの箱を運ぶ。
フィリップは横になったまま、ぼんやりと図上に満開になった桜を眺める。
それはピンク色した…儚い夢だった。
〜おしまい〜
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