time trip 2
家に戻ったのは夜遅かった。
今夜は流星群が見れるらしい。
ボクの部屋には大きな窓があるから、こんな日は家から流星群を眺めることが出来る。
そんな事より今は、不思議な経験に混乱したままだった。
あの少女はフランソワーズの子供の頃だったのか???
それよりもいつまでも耳から離れない言葉があった。
「寂しくなんてないわ」
いつも守ってくれたお兄さんがいないのに…。
家はみな寝静まっていてしんとしていた。
誰も起こさないように慎重に家に入る。
部屋の前で立ち止まる。
ドアが少し開いている。
部屋を覗くと、大きな窓の前で誰かが流星群を眺めている。
白いワンピースに亜麻色の髪。
ふっと息を吐き、普通に声をかける。
「…ただいま」
驚いて振り返る。
まただ…泣いている。
「…お、おかえりなさい。ごめんなさい。今日は流星群だって聞いたから…あなたは帰らないと思ったから…勝手に入っちゃっ…」
言い終わらないうちに抱き締めた。
「意地…張るなよ…」
抱き締められた驚きと、今言われている事の意味がわからず、黙ったまま顔を見上げる。
「寂しいなら寂しいって何故言えない?」
ポロっと一滴涙が流れる。
「つまらないことで叩いちゃってごめんなさい…」
…そこか?とボクは脱力する。
もう胸の話はいいだろう…。
「はっきりしないオトコでごめん…。」
きょとんとボクを見ていたが、やがて笑い出す。
「何だよ」
「だって…はっきりしないのがジョーだもん」
な…なぬ?
はっきりしないオトコは大キライ…って、過去のキミに言われたんだから。
「キミの王子さまにもなれそうもない」
益々笑う。
だから何?
「王子さま?何言ってるの?」
最早抱き締められているムードなどどこにもなく…。
もうメンドクサクなっちゃったから、笑う口を封じてやった。
黙った。
今、はっきりしただろ?
ボクの気持ち。
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