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からっぽな心と取り残された心 8

前回記事に拍手ありがとうございます!


やっと渡りました^_^;
連載8話です。
続きからどうぞ。


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フランスは晴れていた。

ホテルの最寄駅に到着する。

リュックの紐を片方だけ担いで軽快に歩くジョーと、大きなスーツケースを引きずっているフランソワーズ。

「貸せよ」

フランソワーズのスーツケースをジョーが持つ。

「さてと」
ジーンズのポケットから地図を出す。
その地図をフランソワーズが覗き込む

「このホテルなら知っているわ」

スーツケースを持たなくて良くなり、身軽になったフランソワーズが駈け出す。

長い時間一緒にいると思っていたけれど、これから見る彼女は自分の知らない彼女だ。
長い時間一緒にいたのに、お互いの事は全くわかっていなかった。
そう考えられるようになってきたのは、気持ちが落ち着いてきたせいもあるのだろうけれど。


「ここね」

目の前のホテルを見て、ジョーはため息をつく

「全然違う」

「え?」

「…いや、何にもない」

前に一人でフランスに滞在した時のホテルとランクが違っている。
それだけ両博士もフランソワーズの事が心配でそして彼女を愛している事がわかる。

チェックインを済ますと、お互いの部屋に通された。
向かい合った部屋。

ジョーは部屋に入るとまたため息をつく
どうしてもこの前の部屋と比較してしまう。
「ま、いいけどね」

一人にしては広すぎる大きなベッドにダイブする。

明日は兄のジャンが訪ねてくる。
その後は友人等と約束をしているという。
場所はレストランだったり、カフェだったり様々だ。

そこまで教えなくてもいいのに、時間と場所まで教えてくれた。
「離れた場所にいるから、何かあったら連絡して欲しい」
最初から彼女の世界に踏み込み気はなかった。
自分の存在が彼女にとっては迷惑になると思っていた。

時間と場所を記載したメモを眺めながら思う。
「会いたい人…か…そんな人、俺にはいない」


日本にいた時は近くにいたと思っていたのに…
それは自分の勘違いなのかもしれない。
こんなに住む世界が違うのだから。

とにかく自分はフランスに滞在中、彼女に危険がないように見守っているしかない。
それが今回の同行の理由なのだから。

ジョーはフランソワーズからもらった予定のメモをベッドサイドに置き、目を閉じた。



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