ジョーはテラスの椅子に腰を下ろす。
自分の代わりを探したが、みな都合が悪い。
ホテルも既に押さえてあり、時間がない。
自分の小ささに呆れていた。
フランソワーズの過去を盗み見する…というより、過去に恋人がいたのでは?と考え出してからおかしくなった。
ヤキモチ?
何故?
彼女の事はただの仲間ではないか…。
ごちゃごちゃ考えてていて、近くにフランソワーズがいる事に全く気付いていなかった。
ポン、と肩を叩かれて、飛び上がらんほどびっくりする。
思わず椅子から転げ落ちる。
「いやだ、何やっているの?」
「あ、ごめん、ちょっと考え事」
まさか『キミの事を考えてました』などとは言えもせず、照れ隠しに仏頂面で椅子を起こす。
「ごめんなさい」
フランソワーズが謝る。
ジョーは今の事を謝っているのかと勘違いする。
「俺もぼーっとしていたから…」
「違うの!この前の事よ!私も言い過ぎたわ…あなたは気を使ってくれていたのに…ごめんなさい」
「こっちこそ、自分勝手だったよ、まだ代わりの人も見つかっていないし…」
「いいの…あなたと一緒に行きたいの。
あなたは前に兄に会っているでしょ?
だから…」
「それだけ?」
「え?」
「…何もない」
ジョーは起こした椅子に腰を下ろすと、空を仰ぐように上を向く。
フランソワーズは「それだけ?」の意味を考えていた。
PR