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雲の上で 3

前回作文に拍手ありがとうございます!

連載3話です。
続きからどうぞ。

拍手




3


2人は近くのビストロに入る。

向かい合い、席に着く。

「久しぶり」
ジョーの笑顔に嘘はない。

「来てくれるなら連絡くれれば…レストランでも予約出来たのに」

「いいよ、これ位賑やかな方が」

ジョーは流暢なフランス語でオーダーをする。

シャンパンで乾杯する。

「キミの舞台の成功を祝って」

「まだ終わってないわ」

「素晴らしい舞台だったよ」

「…ありがとう」

いつか彼に観てもらいたかった。
思いがけず叶った夢。

でも…



「また…集まらなければならないのね…」

フランソワーズの言葉に、ジョーの手が止まる。

「…」

「…分かっているのよ」

俯いていたジョーがフランソワーズを見る。

「…本当は、こんな用事でキミに会いたくなかった。でも…時間がないんだ」

「いつ?」

「明日の便で発つ」

フランソワーズは大きな溜息をつく。

「まだ舞台は始まったばかりよ。
何故?何故いつもうまくいきそうになると…こうなの?」

「声だけはかけておこうと思っただけなんだ。ごめん、今大切な時期なのにこんな事を言って」

目の前の美味しいお料理も
目の前に座っている彼も
一瞬で色を失った。

ジョーはカバンを探ると、封筒をフランソワーズの前に差し出した。

「明日の便のチケット。一応渡しておくよ。」

ジョーは席を立つと、オーダーシートを手に取った。

「じゃあ、行くよ、ごめん…キミを苦しめる事しかできない…」

レジで会計を済ませ出て行った。

振り返る事もなく。

1人残されたフランソワーズはその場で顔を覆い、少しだけ泣いた。


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