前回作文、過去作文に拍手ありがとうございます(^-^)/
「お迎え話」今回で終わりです。
お付き合いありがとうございました。
続きからどうぞ。

5
空港の待合室は、色々な国籍の人達で溢れていた。
1人で帰るつもりなのに、ヒールの音が近づくと、ふと顔を上げてしまう。
自分は何を望んでいるのだろう。
彼女に幸せになってもらいたいと願っているのに、もう一方では一緒にいてもらいたい…なんて考えている。
自分と一緒にいてもいい事なんて何もないのに…。
搭乗が始まった。
誰かが走ってきた。
ふと振り返るが、フランソワーズではなかった。
期待した自分に笑えてしまう。
腕時計を見る。
午前の公演が始まった時間だ。
昨日観た美しい彼女の姿を思い出す。
これで…いいんだ。
座席に着く。
飛行機の小さな窓を眺める。
さよなら…フランソワーズ
「隣…いいかしら?」
フランス語で話しかけられ、顔を上げる。
「…フランソワーズ…」
「私、窓際がいいの、替わって」
「あ、うん」
ジョーは窓際をフランソワーズに譲る。
「キミ…公演は…」
「何も聞かないで」
フランソワーズは窓の外をただ見ていた。
ジョーは黙って頷いた。
飛行機が離陸した。
高度を上げていくと、フランスの街並みは雲に隠された。
ふとフランソワーズを見ると、窓の外を眺める目から涙が溢れていた。
ジョーは左手をフランソワーズの背中に回すと、ぐっと引き寄せ肩を抱く。
フランソワーズが驚き、ジョーを見る。
ジョーは何も言わず、通路を眺めている。
フランソワーズはジョーの左肩にそっと顔を埋めた。
その肩は震えていた。
〜END〜
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