前回作文に沢山の拍手ありがとうございました!
巷はデビゼロで賑わっておりますが、ここは通常業務です。
ひとりごとブログに感想文をぼちぼち書き始めました。
ネタバレありですので、大丈夫な方のお越しをお待ちしております。
こちらは最終回です。
長々とお付き合いありがとうございました!
続きからどうぞ。

13
気がつくと病院だった。
「気がついたのね」
フランソワーズさんがそばにいてくれた。
「…ここは?」
「病院よ、あなた酸素不足になっちゃったから、一応検査されるようよ」
いつもの笑顔。
でもフランソワーズさんだって状況は同じだったのに…。
「タチバナさんも逮捕されたわ、スパイだったようよ、気を付けないとね。」
僕はボーッとフランソワーズさんを見る。
「キミは…いったい…」
フランソワーズはフィリップの口元に指を当てる。
「世の中には知らなくていいことも…あるのよ」
知らなくていい事か…。
何らかの秘密が…あるって訳だ…。
「僕はキミを守れなかった…」
アイツに助けられたしな…。
「あら、私は嬉しかったわ。守るんだって言われて。」
「アイツより…」
アイツ…が誰か理解するまで少し時間がかかったようだが構わない。
「アイツは、真っ先に僕を助けた、キミを助けなかった!!」
フランソワーズさんは少し考えた。
「そうね、でも、あの時はあれが正しかったのよ、あなたが酸素不足で意識を無くしそうだったから。」
そんなものなのだろうか…。
自分の彼女を真っ先に助けるのが普通…え?
僕は彼等の関係を認めているじゃないか…。
所詮戦える相手じゃないことも…。
でも悔しいからこれだけはいっておこう。
「男は顔じゃないよ、ハートだよ!!」
フランソワーズさんはキョトンとしていたが、やがて笑った。
「そうね、ハートね、フィリップさんはハートが素敵よ!!」
ハートが…って。
そりゃあ顔はアイツにはかないっこないさ。
「もう大丈夫そうね、私はこれで失礼するわ」
帰っちゃうんだ…。
ふと病院の駐車場に目がいった。
紺色のフランス車。
待っていたんだ…。
しばらくすると外に2人が出てきた。
アイツも水色のシャツを着ていた。
清楚なフランソワーズさんのシャツとは対照的なワイルドな洗いざらしのダンガリーだったが…。
運ばれた時に思った…。
痩せていると思っていたのに、かなりな身体をしていた事。
「知らなくていいこともある…」
シャツの下は細身のブラックジーンズ。
格好いい。同性が見てもそう思う。
右にはフランソワーズさんが並んで歩いていた。
パンプスのヒールは計算されているように思えた。
2人の距離が一番いい位置だ。
似たような色の服、ヒールの高さ、意識はしていないんだろう。とても自然だった。
入り込む余地などない、完璧な一枚の絵のようだった。
でもフィリップはこの恋心を大切にしようと思っていた。
あの唇の感触も…。
車に乗り込むと、ジョーが拗ねたように言う。
「あ~!!酸素が足りない!!」
フランソワーズはくすりと笑う。
「あなたには酸素を分ける必要はなくてよ」
身を乗りだし、運転席のジョーにキスをする。
「あなたには愛を分けているでしょ?」
ジョーは唇を離すとニヤリと笑う。
「よろしい」
再び唇を合わせた。
~おしまい~
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