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フランソワーズは戸締りをしていた。
コズミ博士の研究員達の飲み会に参加していたジョーは、きっと朝帰りだろう。と思っていた。
最終電車が到着する時間と、その後ここに辿り着く時間を考えると、もう帰っては来れない。
普段はギルモア博士の助手をしながら、生体工学のコヤナギ博士の研究所にも勉強しながら非常勤で働いている。その上イワンの窓口代わりではあるが、コズミ博士の研究所も非常勤で通っていた。
コズミ博士の研究所で新薬が開発され、そのお祝いの飲み会に誘われた。
所員達とも親しくなり、忙しいながらも充実した日々を送っているジョーを、フランソワーズは嬉しく思っていた。
ようやく「人」として暮らせている自分達をジョーに重ねていた。
「このままじゃ、明日の買い出しはジェットに頼まなければならないわね」
明日は休みと言っていたけれど、この分じゃ一日中寝ている事になりそうだ。
コズミ博士の研究所の新薬開発で、ジョーも缶詰めになっていたから、たまには息抜きもいいかもしれない。
そんな事を思いながら、戸締りを済まし、自室に向かおうとしていた時に、頭の中に声が聞こえた。
〝フランソワーズ、助けて〟
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