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「終電出ちゃうからこの辺で」
「いいよな〜、帰っても美人の奥さんが待ってるんだもんな〜、俺なんか般若みたいに怒ってる女房しか待ってないもんな〜」
「奥さんって…結婚してませんから」
「いい加減ケジメつけろって!うかうかしていると誰かに取られちゃうぞ!」
「はいはい、わかりました。じゃあここで」
ジョーは、酔った研究員を適当にあしらい、駅に向かう。
「終電間に合うかなぁ」
明日買い出しを頼まれていたから、早めに帰らないと。そう考えていたが、祝い事の飲み会で、その上みんな達成感に包まれていて、なかなか席を外せなかった。
明日は久しぶりの休みだ。
買い出しだけではなく、どこか連れて行ってあげようかと、旅好きな研究員から情報も聞き出した。
「明日、晴れるといいな」
空を見上げると、都会の明かりの中に星がポツポツ出ている。
ふと人通りの途絶える道路に入る。
駅に行くにはこっちが近道だ。
次の瞬間
いきなり後ろから頭を殴られた。
「‼︎」
何が起こったのかわからず、振り返る。
頭を殴った何者かが、ジョーの耳元で呟いた。
鈍い音と焼けるような脇腹の痛み。
その場で崩れるように気を失った。
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