クリスマスまでに終われるのか不安になってきた自称クリスマス作文の続きです。
続きからどうぞ

休憩時間になると、相手役のモリスがタオルを持って来た。
「フランソワーズ!全くブランクを感じさせない完璧な踊りだよ!」
フランソワーズには感じていた身体の変化に誰も気づいていないようだ。
「しかし、キミと踊れる日が来るなんて…昔のキミは手の届かない存在だった。
いつもそばにランディがいたのもあるし…もちろんランディの活躍は知っているよね?」
「えぇ、知っているわ、世界中駆け回っているみたいね」
「キミもあの時突然いなくならなければ…
でもキミがあの時いなくならなければ、きっと俺なんか相手にもしてくれなかったんだろうな…」
モリスがぽつりと言った少し大きな独り言
あの時いなくならなければ…
私は…
フランソワーズを現実に引き戻すかのように、1人の女が話しかけてきた。
「あなたにはもっと大きな舞台がお似合いなんじゃない?こんな鄙びた所には似合わないわよ。」
「オイ!よせよ!」
モリスが注意するが、女は話を止めない
「いいわよねー、突然いなくなったかと思えば突然現れて、即主役なんですものねー」
「もういいかげんにしろ!」
モリスが怒鳴ると、女は
「あら、怖い、モリスはフランソワーズに夢中なのかしら?」
と言いながら
からかうようにその場を去った。
「ごめんね、彼女なかなか芽が出なくて、嫉妬しているだけだから気にしないでね」
モリスが必死にフォローする。
「ありがとう」
フランソワーズはモリスにニッコリ笑かける。
そう、これくらいは想定内の事。
将来を約束された矢先に行方不明になり、今更帰ってきて、みんなが笑顔で迎えてくれるなんて思ってはいない。
この公演を成功させる事
それが一番大切な事
フランソワーズは再び深呼吸すると、レッスンに戻った。
PR