あれからどれくらい経ったのだろう。
もうそんな事どうでもよくなった。
外は吹雪いたままだったが、ロッジの中では幸せな日々があった。
フランソワーズは毎日美味しい料理を作ってくれる。
自分の要望に全て応えてくれる。
それだけで…もういいじゃないか。
「ジョー…聞こえる?」
頭に直接語りかける感覚
懐かしい…
これを待っていたのでは?
目の前にいるフランソワーズは悲しそうな顔でジョーを見ている。
「どうやら捜索隊が近くに来たようだ」
「何故?あなたは行ってしまうの?」
「助けてくれてありがとう。でも、キミはニセモノだ。本物が近くまで探しに来てくれている」
「私は私よ!本物もニセモノもないのよ!
これは全てあなたの願望じゃない!あなたの作り出した世界じゃない!あなたがここから出たらこの世界は終わるのよ!
私も…消える…」
ジョーは目の前のフランソワーズを黙って見つめていた。
「フランソワーズ…ありがとう…キミがいたから命を繋げたよ。楽しかった」
ジョーはフランソワーズを抱きしめると、そっとキスをした。
「だめ!行ってはダメ!!!」
フランソワーズの悲鳴にも似た声を背に、ジョーは走り出す。
「フランソワーズ、ゴメン」
ロッジのドアを開けた。
急な勢いで吹雪が流れ込んだ。
真っ白
何も見えない
「ジョー!!!」
白い先から声がした。
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