どんなに遅い時間に眠ったとしても、目覚ましなしで目を覚ます。
午前中はギルモア博士の研究室で生体工学の授業。
隣にはジョーがいる。
ジョーはアンナにあれこれ話しかける事はしなかったが、要所要所で「解る?」と言い、自信のない顔をすると分かりやすく補足してくれた。
学んでいる分野は違うが、自分の身体を知る上でこの分野も学んでおこうと決心した。
その気持ちが痛いほどわかるジョーは、ここにいる間何かを得てもらいたいと思っていた。
アンナはふと昨日のジェットの言葉を思い出す。
「生まれ変わったと思って…」
確かに父親に手術をしてもらわなければ死んでいた命。
こんな身体にされてまで生きなくてもいいと思っていたが「彼ら」はこんな身体にされても尚自分の生きる道を模索している。
「島村さんは…」
アンナから話しかけてきたので、ジョーは驚いた顔をした。
「この身体になってから『生まれ変わった』って思った事はありますか?」
唐突な質問に言葉が出ずアンナを見ていたジョーだったが、ふっと笑うと
「僕はこの身体にされる前はロクな事なかったからね、周りの環境が大きく変わってそんな事思う余裕はなかったな」
「すみません…変な事聞いて」
「ただ…」
「え?」
「仲間の存在はありがたかった。今の自分があるのは仲間達のおかげだから」
そう言うとジョーはにこっと笑う。
アンナが言葉を探していると
「博士が進めたいみたいだから」
ジョーが博士にアイコンタクトをする。
仲間の存在…
アンナは頭の中で繰り返す。
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