「ただいまぁ」
フランソワーズがリビングに入ると、ジョーが1人ソファーに寝そべって雑誌を読んでいた。
「あら?1人?アンナさんは?」
「ジェットと出かけたよ」
「ええっ?大丈夫なの?」
「本人が行きたいと言うんだから大丈夫なんじゃない?」
のんびりと言うジョーはソファーで伸びをしている。
フランソワーズは窓の外を見る。
「ジェット、気に障る事言わなければいいんだけど…」
しばらくして2人が帰ってきた。
「ただいま帰りました」
「アンナさん、大丈夫?ジェットに何か気に障る事言われなかった?」
心配しているフランソワーズにアンナはにっこり笑い。
「大丈夫ですよ、フランソワーズさん、昨日はすみませんでした。」
「え?」
後ろにいたジョーがほらねと言わんばかりの顔をしていた。
アンナの後にジェットが帰ってきた。
ジョーを見つけると
「あいつ結構気が強いぜ」と笑う。
フランソワーズはジョーの元に行くと
「アンナさんが笑っていたわ」と呟いた。
この家のゲストルームにはシャワールームがついていた。
まるでホテルのようだと思う。
フランソワーズの話では時々「訳あり」のゲストが泊まったりするからだと言う。
男性が多い家ということもあるらしい。
シャワーを浴びて髪を乾かす。
パウダールームの鏡の中の自分を見る。
まだ少女のままの自分。
メガネを外した自分の顔。
鏡は嫌いだったからあまり自分の顔を見る事はなかった。
「それ取った方が年相応に見える」
ジェットの言葉を思い出す。
思わず目を閉じる。
鏡に背を向けパウダールームを後にした。
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