ジョーは地下の研究室にいた。
アンナの父親について気になったので、データベースを調べていた。
両親との確執
年齢に似合わない外見
産婦人科医を目指しているのに、何故生体工学の知識を必要とするのか
博士にそれとなく聞いてみたが、はぐらかされてしまった。
何もない、という感じではない。
栗原博士の「いずれわかる」という言葉の意味もはっきりしない。
「ここにいたのね、コーヒー持ってきたけど」
フランソワーズが入ってきた。
「アンナさんは?」
「寝たわ」
「そう」
「…何かわかった?」
「アンナさんの父親が末期症状の患者の身体に機械を入れて生存させた…というデータは出てきたんだけどね。こういう話はよくあることで…」
「あ…あのね」
フランソワーズが言いにくそうに言葉を選んでいる。
「どうした?」
「アンナさんがどうしてご両親と疎遠なのかなんとなくわかったの」
「何か話してくれた?」
「視たの」
「視た?」
「栗原博士にちゃんとお話してもらわなければならない事なの」
「…わかった、一緒に博士の所に行こう」
フランソワーズは椅子に腰掛けると、大きくため息をつき、机に肘を乗せ、顔を手で覆った。
「…それってさ、多分僕が今考えている事と同じだよね?」
ジョーがフランソワーズに近づく。
「どうして…こんな…」
フランソワーズは顔を覆ったまま、動かずにいた。
「何か事情があるんだよ、真相は栗原博士にちゃんと説明してもらおう」
ジョーがフランソワーズの肩に手を置く
フランソワーズは顔を覆ったままこくりを頷いた。
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