~もしジョーが旧ゼロみたいに青山で独り暮らしをしていたら~
彼女を東京に連れ出したのには色んな理由がある。
ギルモア邸にいれば、赤ん坊と老人の世話ばかり。
たまには息抜きも必要だ。
ましてや12月。
街はクリスマスムード一色なのに、あの環境ばかりでは気の毒だ。
彼女は僕の事を気にしている…と思う。
季節も季節だ…ここでビシッと…。
「きれいね」
街中に飾られたイルミネーションを嬉しそうに眺めるフランソワーズ。
「キミの国には敵わないけれどね」
「そんな事ないわ…」
街路樹には青と白のLED
すれ違うカップルも手を繋いだり、寄り添ったり…。
そっと手を握ろうとしたら、急に手を上げた。
腕時計を見たらしい。
「大変!こんな時間!帰らないと」
すかさず時計をしている腕を掴む。
「ジョー?」
「泊まって行きなよ」
サラッと言ったつもりだが、心臓はバクバクだ。
「でも…」
「博士達には電車が止まったとか何とか言えばいい、どうせあの2人は研究に夢中で運休情報なんて知りはしないんだから」
明らかに不安そうな顔をするフランソワーズ。
「僕が後で上手に言い訳するからさ」
口から出任せだ。上手に言い訳するなんてはなっから思っていない。
フランソワーズの掴んだ腕を降ろし、手を握る。
「僕の気持ち知ってるくせに」
フランソワーズはジョーを見る。
「…ばか」
フランソワーズは赤くなり俯いた。
それをきっかけにするように、ジョーは指をフランソワーズの指に絡める。
2人はイルミネーションの間を寄り添って歩いていった。
PR