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目が覚めた。
窓の外にはエッフェル塔が見える。
あ…。
パリにいるんだっけ。
頭を右に向けてみる。
隣で眠っているはずの…あれ?
いない…。
取り敢えず今の自分の格好は、このお洒落な街には似合わない。
ベッドの下に投げてあったバスローブを引っ掛け、シャワーを浴びる。
スーツケースの中から、長Tとカーディガンとジーンズを引っ張り出し、着る。
コーヒーを飲み、一息入れる。
部屋の扉が開いた。
両手に紙袋を抱え、足でドアを止めている。
「お行儀が悪いですね」
笑いながらドアに近づくジョー。
「あら、起きたのね、おはよう」
両手は紙袋でふさがったままだが、ジョーに近づくと背伸びをしてキスをする。
「ここのクロワッサンは格別なの!!」
「2人でそんなに食べる訳?」
紙袋を一つ受け取り、中を覗く。
「余ったら、兄さんの所に持っていくわよ」
20分後…。
「ね、食べれたでしょ?」
「…うん」
山ほどのクロワッサンを2人できっちり食べ終わる。
「さて…、今日はどうするの?」
ジョーが窓の外を眺める。
街は動き始めていた。
「買い物しましょう」
フランソワーズはベッドに腰掛け、コーヒーを飲んでいた。
窓の外のパリジェンヌとそう変わりなく、ニットのタートルとスキニーにロングブーツとシンプルだが、とても似合う格好だ。
ベッドから立ち上がると、カップを置き、コートを羽織り、大きめのマフラーを巻く。
「兄さんから車を借りましょう。」
そう言うと、ツカツカとドアに向かう。
「ちょ…待てよ!!」
ジョーも慌ててコートを羽織る。
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