前回作文あ〜んど過去作文に拍手ありがとうございます*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
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凄い顔文字ですが…。
気持ちは伝わったかと。
連載8話です。
続きからどうぞ。

8
ジュリアがアパートにやって来た。
両手いっぱいに買い物袋を抱えて。
すでにリビングでは、ジャンとジョーがドイツビール片手にテレビのサッカー観戦をしていた。
画面を見ながら自国のサッカー選手の自慢合戦をしているようだ。
つまみはフランソワーズが用意した生野菜のディップ。
ジュリアはジョーに軽く挨拶すると、キッチンに向かう。
フランソワーズとはまだ会話をしていない。
大切な兄を取られた嫉妬が昨日は痛いほど感じられた。
時間はかかるかもしれないが、いつかはわかり合えるだろう。
「キッチン、借りてもいいかしら?」
振り返ったフランソワーズは顔が強ばってはいたが、昨日よりは距離が近づいた気がした。
「どうぞ、もう私のキッチンではないから…」
このアパートで2人慎ましく生活をしていた。
そんな兄妹を突然引き裂いた出来事。
そして兄は妹を探しながら、支えてくれる人と出会い、妹は異国の地で同じ運命を背負わされた人と恋に落ちた。
お互いにパートナーを得て、兄妹は新しい生活を手に入れる。
兄は妹と過ごした思い出の住まいを離れる決心をする。
それは2人にとって前向きな出発としたかったのだろう。
フランソワーズはジャンと同じ気持ちではないようだが…。
ジュリアは七面鳥の下ごしらえをしてきていた。
「あなたの家の味とは違うかもしれないけれど…」
オーブンをセットする。
キッチンツールも彼女の使いやすいように配置が変わっていた。
もうここに自分の居場所はないんだ…。
「ジュリアさん…」
フランソワーズが初めて兄のパートナーの名を呼ぶ。
「はい?」
ジュリアは驚いて振り返る。
「兄を…支えてくれて…ありがとうございました。」
ジュリアはフランソワーズと向かい合う。
「あなたに…逢いたかったの…」
ジャンから沢山行方不明の妹の話を聞いた。
写真で見た彼女はとても綺麗だった。
ジャンは「男勝りのお転婆娘」と言っていたが…。
「本当に嬉しいわ…」
フランソワーズは少し笑った。
「何かお手伝いします」
今夜は昨日と違い、和やかな食事となった。
フランソワーズの態度の変化が一番の原因だが、ジャンがフランソワーズの子供の頃の武勇伝を語り出すと、ジョーは「子供の頃知り合わなくてよかった」と笑いながら言う。
ジュリアが作った七面鳥はとても美味しく、フランソワーズ達が持ち寄ったロゼのシャンパーニュによく合った。
明日はイブだ。
何故か鍋パーティーをすることになったが…。
泊まっていけ、というジャンの言葉に首を振りホテルに戻るフランソワーズ。
ホテルに戻る道を歩いていたら、雪が降りだした。
「ホワイトクリスマスかしら…」
ジョーと手を繋いで、子供のように振りながら歩く。
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