「どうしたの?元気ないけど」
久しぶりに帰ってきたピュンマは、リビングで本を読んでいるフランソワーズに声をかける。
「別に・・・何もないけど」
勘のいいピュンマにはすぐ気づかれてしまう。
それでも何もない素振りをする。
「何か悩みがあるんじゃない?」
気にしないで欲しいのに、今日のピュンマはなかなか引き下がらない。
降参…とばかりにフランソワーズは本を閉じる。
「最近ジョーの様子がおかしいの」
「え?」
「避けられているっていうか…ピュンマは感じない?」
「いや、僕にはいつもと変わらないけどれど…」
ピュンマは少し考えると
「あ、そういえば、ジョーがここを出るって話していたな」
「え…」
…聞いていない
「どうして?」
「どうしてだろうね、東京に友達がいるから、友達に世話してもらうらしいよ」
「ここで暮らせるのに、何故?」
…やっぱり
ジョーにとって大切な人ができたんだ。
だから私に対して素っ気なく
家を出ると言っている。
私をパリに帰す為に努力してくれた彼が
パリで私の為にボディガードしてくれた彼が
同じ気持ちでいてくれると思ったのに
私だけだったんだ
黙ってしまったフランソワーズをピュンマがじっと見ていた。
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