ギルモア博士の研究所は、近くにコズモ博士が大きな研究所を作り、そこに住む事になってからは、まるで廃墟のように朽ちていた。
今回の事で、またみんなで時々再会しようという事になり、廃墟だった研究所のリフォームが始まった。
時々再会と言っても、日本で暮らす僕でさえあまり行けていないのが現状だ。
でも博士は久しぶりの再会に希望を見たようだ。
まだ工事は途中だが、博士とイワンの居住スペースは確保しているらしく、最近越したと連絡があった。
出迎えたのはイワンだった。
「工事がどれ位進んでいるかと思ってね」
僕が言うと
「一足違いだったよ、遅すぎ」
と的はずれな言葉を返す。
「心…読んだだろ?」
「まぁ間にあったとしても、フランソワーズを止める事は出来なかったと思うけどね」
ナマイキな事言ってるよ。
「言葉に出さなければ相手に伝わらない事だってあるんだ」
「例えば?」
「言わない」
…けち
どうせ心読んでるんだろ?
「彼女はキミが言葉にしないから、不安を抱えたままだ。キミの本心を彼女にぶつけたらいいだろ?」
言葉にしないから…か。
そうだな、お互いの気持ちをちゃんと話した事なんてなかった。
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