「フランソワーズ?」
考え事をしていたようだ、ゴーチェが覗き込んでいる。
「…あ、ごめんなさい」
「僕と一緒じゃ、面白くないみたいだ」
ゴーチェが膨れる。
「そ…そんな事は…」
「せっかく日本に来て君に再会出来たのにな、君は浮かない顔ばかりしている。」
永世中立国だったハトランド国に、急に軍事施設が作られた事を不審に思ったゼロゼロナンバーは、ハトランドに飛んだ。
国王が誘拐され、国王になりすましたニセモノが、軍備拡大を訴えていた。
その頃息子のゴーチェは学生だった。
国の異変に留学先から帰国したが、父親の豹変ぶりにショックを受けた。
その時親身になり、ゴーチェの心の支えになったのが、フランソワーズだった。
ゼロゼロナンバーの活躍で、黒幕も見つかり、誘拐されていた国王も無事釈放された。
結果的には武器を売り、多額の富を積む死の商人の仕組んだ罠だった。
ゴーチェは何よりも、心の支えになってくれたフランソワーズに感謝以上の物を感じていた。
毎年誕生日には、部屋を埋め尽くす程の薔薇を贈った。
ジョーが薔薇嫌いになるほどに。
ゴーチェは気づいていない。
あの時は、ジョーとフランソワーズには何もなかったのだから。
「今年の誕生日は、君の為に大使館でパーティを開こう」
誕生日…そっか。もうすぐなのね。
フランソワーズはまたぼんやりとする。
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