車は海岸線を走り、林を抜ける。
門の前に車が止まる。
「ありがとうございます。」
「明日迎えを出します。素敵な夜になりますよ」
ゴーチェはそう言うと、フランソワーズの頬にキスをする。
「おやすみ」
「…おやすみなさい」
門を開け、振り返ると、車のテールランプが遠ざかっていく。
ふとみなとみらいで見たジョーを思い出す。
…楽しそう…だったな。
仕事で忙しいと思っていたのに。
女の子と…。
深呼吸してドアを開ける。
目の前にジョー。
「…ただいま」
「おかえり」
手にコーヒーカップ。
「帰っていたの?」
「うん、博士帰って来たから」
「…ごめんなさい、知らなくて」
「いいよ、ゴーチェが来てるんだろ?」
「…日本を案内して欲しい…って」
「あ、あのさ、明日…」
ジョーが言いかけると重ねるように
「明日、ハトランドの大使館でパーティーがあるの…」
「…そっか、楽しんでくるといいよ」
「あなたも…一緒に…」
「君が招待されたんだろ?」
「ジョー…あの…」
「もう休むといいよ、おやすみ」
みなとみらいで一緒にいた子は誰?
心で何度も繰り返す。
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