ジェロニモが蒔を作り、家に持ち帰る。
ジョーが再び出かけようとしていた。
「 研究室に戻るよ」
「お前、フランソワーズといつから会っていないんだ?」
おせっかいなのは承知の上だが。
「う~ん、いつからだろう」
「それじゃあ別居と言われても仕方ないな」
「博士が帰ってくれば少しは落ちつくけどね」
「帰っては来るのか」
「まあね」
「そうか、頑張れよ」
「うん、じゃ留守頼みます」
慌ただしく出かけていく。
ジョーは自分たちの未来の為に頑張ってくれている。
自分の事は後回しで。
フランソワーズも承知だろうが…。
ジェロニモは暖炉の掃除を始めた。
横浜に向かう道。
海岸道路を走る。
緩いカーブに軽くハンドルを切る。
天気はいい。
心は…晴れない。
ハトランドの皇太子がフランソワーズに好意を持っているのは知っていた。
まさか来日するとは。
フランソワーズの事だ、日本を案内して。などと言われたんだろう。
連絡する暇もなかったし、いつ帰れるかもわからない。
最初はフランソワーズも弁当を作って置いてくれたが、いつ戻るかわからないからと、断った。
あれ以来帰宅しても留守ばかりだ。
ゴーチェが来ている事も知らなかった…。
ため息をつき、アクセルを思い切り踏んだ。
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