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やっぱり意識してしまう。
何故私を誘ったの?
私の気持ちはとっくに知っているのよね?
運転している彼は何度も見ていた筈。
こんな「何もない」ドライブは多分初めて。
辺りはだんだん暗くなる。
何故こんな時間にドライブに誘ったんだろう。
もう景色も見えないけれど、反対を向いていないと、動揺を悟られそうで…
「もうすぐ着くよ」
静かだった車内に、突然の彼の声。
驚いて振り返る。
にっこり笑った彼の顔。
思わず笑い返してしまう。
駐車場は既に混雑していた。
空いている車と車の間に、バックでスッと車を入れる。
後方確認をする時に、助手席側に身体を寄せる。
彼の空気を急に感じた。
慣れていた筈なのに、戸惑っている。
戸惑いを隠すかのように、車が止まると同時にドアを開ける。
山の上にある駐車場から、見下ろした世界に、フランソワーズは思わず声を上げる。
「綺麗…」
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