帰還 1
もうすぐイワンが目を覚ます。
そして何事もなく、また夜が明ける。
ジョーは誰もいない海岸を歩いていた。
見張りの担当ではないが、歩かずにはいられなかった。
あれ以来時空の歪みも無くなった。
フランソワーズがいない以外は普通の日々が戻って来た。
フランソワーズがいないだけでジョーにとっては普通ではない日々だった。
苛立ちをぶつける事もなく、ただ黙々と自分の「出来る事」をやっていた。
「出来る事」と言ったら歪みのポイントの監視くらいだった。
でも、歪みが出たら飛び込むつもりではいた。
早く助けてあげたい。
ただそれだけだった。
夜が明けて来たその時
空が「歪んだ」
「!!」
ジョーは海に飛び込んだ。
歪みの方向にクロールで向かう。
渦はだんだん大きくなり、中心から何かが出て来た。
その何かはバシャンと大きな音を立て、海に「落ちた」
ジョーはその落ちた物に見覚えがあった。
それを押して海岸に戻る。
服のまま海に飛び込みびしょびしょのジョーだが、自分の事など構わず、その「落ちて来た」物についている「ドア」を開けた。
「フランソワーズ!!」
ジョーの声にその中にいたフランソワーズが目を開けた。
「ジョー?本当にジョーなの?」
ジョーはフランソワーズを乗り物から出すと、強く抱きしめた。
「よく帰ってこれたね、おかえり」
フランソワーズがビクッとして、ジョーは自分がびしょ濡れだった事に気付く
「あ、ごめん、あの渦に入ろうと夢中で泳いでた」
「ありがとう…」
フランソワーズはそういうと気を失った。
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