「何故出来ないのだ?」
「あなたが…いえ、あなたを『造った』科学者がやろうとしていた事に賛同出来ないから…このまま続けていたら…あなたは…沢山の人を殺す事になるわ…それでもいいの?」
「では何故お前は私を気にかけたのだ?」
「気にかけた?」
「私を追いかけたではないか」
初めて会った時の事を言っているのだと気づくのに少し時間がかかった。
「あなた…いえ、この要塞で何かが起こっている事がわかったから調べていたのよ。
私はあなたが兵器を作り続けるのなら…」
フランソワーズは銃口を頭の大きな男に向ける
「やめさせないといけない」
「そんな物でワタシを殺せるとでも?」
瞬間
銃はフランソワーズの手から離れ、宙を舞い、床に落ちた。
フランソワーズはため息をつく。
「あなたのその『チカラ』を人々を脅やかすのではなく、人々の為になるように使えないのかしら…あなたなら出来ると思うわ…きっと」
「この姿を見て気味悪がる者たちの為に…か?」
フランソワーズも最初に遭遇した時はゾッとした。
自分が何者かもわからない。
何の為にここにいるのかもわからない。
ただ「創った」科学者の言っていた事に従うしかなかった。
その科学者も今はいない。
フランソワーズは自分の運命と重ね合わせてしまっていた。
科学者のエゴの為に犠牲になっている目の前の名前すらない、人間にすら見えないその「生き物」
ここから出れたとしても、人間の世界で暮らして行くのは難しいだろう。
ここでずっと1人で、もういない科学者の為に研究をし続けるのか?
世界を脅かすものを
自分の意志ではないのに
何とかして…フランソワーズは必死に解決策を探していた。
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