「あなたをここから出せるかもしれないわ!私達の所に来れば、博士が生活しやすいようにしてくれるし、あなたと同じ能力を持った『仲間』もいるから、これからヒトとして生きていく事もできると思うの!」
男はフランソワーズの話を表情なく聞いている。
「ここから離れなれないのに、そんな事は出来ない。お前とここで暮らす」
「ここで暮らしていく事はあなたにとってもいい事ではないのよ、もうあなたを縛るものはないの。ここから逃げましょう!」
「フランソワーズ」
イワンの声が聞こえた。
その瞬間
ピュンマとジョー、ピュンマに抱かれたイワンの姿が目の前に現れた。
「みんな!」
フランソワーズは歓喜の声を上げる。
ジョーはフランソワーズを見ると大きく頷いた。
「イワン、彼を…ここから出して欲しいの。博士に手術をしてもらって…」
「フランソワーズ、それは出来ないんだ」
「え?」
イワンはピュンマの腕からフランソワーズの腕に移される。
フランソワーズはイワンに「出来ないって…どうして?」と問いかける。
「この男はこの要塞と一心同体のようなものなのだ、彼の全てはこの要塞にある」
「この要塞内に生命反応がなくなったら爆発すると言う事でしょ?
あなたがテレポーテーションすれば問題はないはずよ!あの人も超能力を持っているわ。
彼もイワンと同時にテレポーテーションすれば問題はないはずよ!」
「それだけではないんだ」
「え?」
「彼は…ここでしか生きられないんだ。
彼はこの要塞が作り出す栄養素を食糧としている。この要塞がなくなれば…彼の食糧も失う」
「そんな事…」
「科学者がその様に彼の身体を作ったのだ」
「彼は…いったい?」
ピュンマがイワンに聞いた。
「アンドロイド…という言葉が1番近いだろう。」
「そんな…事って…」
「そしてもう一つ、今わかった事だけど」
イワンがフランソワーズの腕の中で少し動く
「この要塞の自爆装置が作動した様だ…」
「何故?生体反応はあるはずじゃない!」
「私が押した」
男はフランソワーズの前に立つ
「こうなる事は前からわかっていた、お前をここに連れてきたのは、存在を誰かに気づ
いてもらいたかったのかもしれない」
「まだ望みがあるかも知れないわ!食糧だって…その栄養素を作ればいいじゃない!」
フランソワーズは叫び続けた。
「もういい…早く逃げろ」
その言葉と同時にフランソワーズは気を失った。
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