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バレエスクールのドアを開ける。
ピンと張った緊張感が懐かしい。
所長の親戚の小松さんが、皆に紹介してくれた。
早速着替えてレッスンを始める。
楽しい、また踊れると思うと嬉しくなる。
コズミ博士の家にお世話になり、数週間が経過した。
夜中出掛けなくなったジョーだったが、年と境遇が同じジェットと意気投合したようで、コズミ博士のリビングで毎日飲み明かすようになった。
煙草は吸う、酒は飲む、会話の内容はオンナノコの話ばかりと、「ガラの悪い」2人に周りは若いからと放置気味だった。
戦いになればこの2人が最前線に立たなければならないから、その重圧から逃げているのも周りはわかっていた。
フランソワーズだってこの2人と年はそう変わらないのだが、育ってきた環境が違いすぎて、話に入れなかった。
夜中目が覚めてしまい、水を飲もうとキッチンへ向かう。
リビングでは、大散らかしの中、2人が寝ていた。
「しょうがない人達ね」
呆れはしたが、2人の寝顔を見るととてもあどけなく、思わず笑みが出てしまった。
若いのに、運命を変えられてしまった私達。
彼等の気持ちだって解らないわけではない。
毛布を持ってきてジェットに掛ける。
もう一枚をジョーに…。
その時、聞き取れない位に小さい声で
おかあさん
そう聞こえた。
彼の生い立ちをイワンから聞かされたのは、その後だった。
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