「喧嘩の仲裁~ジェットの場合~」
まだ朝早かった。
テラスでぼうっとしているフランソワーズの姿を見つけた。
何してるんだ?
「オイ、どうした?」
「別に!!」
はは~ん、喧嘩だな。
原因は昨日助けた「あの子」だな。
ったく、しょーがねーなぁ…。
「オイ、今から出掛けるからコートを着て、そのスカート…パンツ見えると悪いからな、ズボンに履き替えてこい!!」
「パ!!」
フランソワーズが思いっきり非難の目を向ける。
「早くしねーと置いてくぜ」
フランソワーズの反応なんか無視だ。
これからスゲー所に連れてってやるんだからな。
言われた通り、昆布巻きみたいに着こんだフランソワーズがやって来た。
じゃ、行くぜ!!
昆布巻きを抱え、ジェット噴射する。
ギルモア邸から少し行った海岸線をジョーが走っているのが見えた。
立ち止まった。
見えたな。
高度を上げていく、雲を抜けた。
息が出来るギリギリの所で噴射を弱くする。
目をつぶっていたフランソワーズが、目を開けたのだろう。
「まぁ!!素敵!!」
「どうだ、スゲーだろ?」
「あなたばかりこんな景色を独り占めするなんてズルいわ」
「空にいると、自分がちっぽけに思えてくるのさ、つまんねー悩みもバカバカしくなる」
「そうね」
「ジョーはジョーなんだから仕方ねーだろ?そんなアイツに惚れたお前が悪いんだ」
「そうかしら?」
「俺達が昇っていくのアイツに見えてたぜ、今頃走ってギルモア邸に戻っているさ、で、こう言うんだ『ジェット!!何やってるんだ!!誰かが見ていたらどうするんだ?既に都市伝説と騒がれているのに!!』」
「似てる!!似てる!!」
やっと笑ったな。
「さて…と、ジョーさんのお説教でも聞きましょうかね」
ジェットの思惑通り、テラスにはジョーが待っていた。
「ジェット!!何やってるんだ!!誰かが見ていたらどうするんだ!!既に都市伝説と騒がれているのに!!」
俺とフランソワーズは顔を見合せ吹き出した。
「何笑ってるんだ!!こっちは真面目に話してるんだ!!」
俺とフランソワーズは笑いが止まらなかった。
ギルモア邸は今日も平和だ。
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