ジョーとフランソワーズは、ある山間の村に来ていた。
その辺りの山の中で、イワンが怪電波をキャッチしたからだった。
調べてみたが、それといった現象もなく、完全な空振りだった。
「いいよな、王子様は。指示だけしておいて後は『駒』を動かせばいいんだから」
ジョーがグチる。
「何事もなかったのだからよかったじゃない」
フランソワーズはジョーと2人きりでドライブ出来た事をイワンに密かに感謝していた。
「帰ろうか、このままじゃ帰りは夜中になるけど」
あたりはもうすっかり暗くなっていた。
舗装されていない山道を揺れながら通過し、ようやく国道に出た。
「あっ」
真っ暗な流れる景色を眺めていたフランソワーズが声を上げる。
「何?」
「花火が見えたから…」
「え?」
「あ…ごめんなさい、あの山の向こう」
ジョーはふっと笑い
「お嬢様、ナビゲートをお願いしてよろしいでしょうか?」とおどける。
「え?」
「目的地は…山の向こうの花火」
「急がないと終わってしまうわよ」
フランソワーズはにっこり笑う。
「じゃ、急がなきゃ」
ジョーはアクセルを踏み込んだ。
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