真夜中の都会の真ん中
ビルの屋上から街を見下ろす
人工の灯りが闇を照らす
真夜中の雑踏に集中力が削がれる
深呼吸して眼を閉じる
神経を研ぎ澄ます
必ず私があなたを見つける
声にならない声を
あなたのSOSを
必ず助けるから
ビルの屋上で身を乗り出すようにフェンスに身体を預けるフランソワーズ。
ハッと目を見開いた。
目を背けたくなるような…
でも…みつけた
〝002、009を見つけたわ。酷い怪我をしているから早く向かって〟
通信を送り終えると同時にその場に座り込む。
震えが止まらなかった。
見つけられた安堵と、あまりの怪我の状態のショック。
両手を顔に持ってきたが、手も震えていた。
〝003、聞こえるか?009を発見した。大丈夫だ、意識はある、急いで連れて帰るから、お前も向かえ〟
ジェットからの通信がまるで他人事のように聞こえた。
〝フランソワーズ!しっかりしろ!〟
ジェットの声に我に返る。
〝聞こえてます、了解です、これから帰ります〟
フランソワーズは深呼吸を1回すると
〝ジェット…ありがとう〟
通信を切り、立ち上がる。
見下ろす街は先程と何も変わらない。
フランソワーズは眠らない街を背に歩き出した。
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