前回と過去作文に拍手ありがとうございます(^∇^)
連載11回です。
続きからどうぞ。

11
出発の朝。
空はジョーの心の中のようなどんより模様。
ジョーは、2人のスーツケースを車に積み込みながら、フランソワーズが皆と別れの言葉を言っているのを他人事のように聞いていた。
ジャンがジョーの隣で呟く。
「後で後悔しても知らないぞ。」
そんなジャンにジョーはにっこりと笑って見せる。
強情なヤツだ…。ジャンは呆れていた。
空港へ向かう道でもジョーは自分から言葉を発しなかった。
ただ黙って運転していた。
検査場の前で別れる。
「それでは、またいつでも遊びに来てください。」
ジャンに笑顔で挨拶するジョーを見て、フランソワーズの胸がぎゅっとなる。
フランソワーズの前で立ち止まり
「じゃ、元気で」
右手を差し出す。
握手?
怪訝な顔でフランソワーズはジョーと握手をする。
「それでは、ここで失礼します。」
本当に素っ気ない。
くるりと後ろを向くと歩き出す。
栗色の髪、ジャケットにジーンズ姿のジョーが、段々遠ざかる。
自分達の距離まで遠くなる気がした。
追いかけることが出来なかったのは…ジョーの後ろ姿がフランソワーズを拒絶していたから…。
多分…私が迷っている事をあなたはちゃんと解っているから、余計に迷わせないために素っ気なく別れるつもりなのだと思った。
でもそんなの…悲しすぎる…。
空港から去れなかったのは未練だろう。
飛行機を見たら吹っ切れるだろうと、屋上に上がる。
次々と飛行機が離陸していく。
明日はジェットとアルベルトの見送りだろう。
今晩はまたダイジンの店で送別会…って言ってたな…。
いちいち帰る度に送別会していたら、ダイジンの店潰れるよ…。
それにしても…また中華か…。
フランソワーズがいなくなれば、中華続くんだろうな…。
「…あれ?」
おかしい…。
涙が止まらない…。
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