前回に拍手ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ
連載12回です。
続きからどうぞ。

12
検査を終え、待合室でアナウンスを待つ。
ジョーはもう帰ったわよね…。
思わずジョーの居場所を探してしまった。
「え…何?どうしたの???」
「どうしたんだ?フランソワーズ?」
「兄さん、私やっぱり日本に残る!!ごめんなさい!!」
係員を説得をし、検査場を逆行して走り去るフランソワーズ。
「…ふ~っ、俺の負けだな…。」
…しかし、スーツケース2つ持って帰るのは難儀だな…。
ジャンは一人で笑っていた。
フランソワーズは空港内を走っていた。
ヒールの高いパンプスが恨めしい。
気ばかり焦りながら階段を登る。
早く行かなきゃ…!!
自分でもよくわからなかったが、涙が止まらない。
悲しい…という感情などとうにないと思っていたのに…。
ただただ悲しかった。
「ジョー!!」
振り返るとそこにいるはずのない人がいた。
「…?!」
「あなたに…あなたに嫌われても構わない、いつも…あなたの…側にいたいの!!」
ジョーがフランソワーズに近付く。
何も言わずに…。
「ジョー…?」
フランソワーズは不安になる。
兄を置いて来たことを怒っている?
だって…あなた…泣いている!!
フランソワーズと向かい合うと、ジョーはフランソワーズを抱き締めた。
「ジョー?」
何も言わずただ泣いているようだった。
ここでは人目につきすぎる。
とりあえず手を伸ばし、ジョーのジーンズの後ポケットから携帯を取り出す。
アルベルトはダイジンの店にいた。
明日帰るから送別会だそうだ。
携帯が鳴る。
ジョーからのようだが、出たのは飛行機に乗っているはずのフランソワーズ。
「アルベルト!ジョーが大変なの!!助けて!!」
飛行機に乗っているはずのフランソワーズからジョーが大変だと連絡が来る…ということは…。
何か事件に巻き込まれたのか?
店から飛び出し、タクシーを拾い空港に向かう。
指定された場所に着いてみて脱力した。
「何だ?その愉快な格好は?」
フランソワーズにもたれ掛かり、泣きつかれて寝ているジョーと困り果てたフランソワーズ。
「爆発…したんだな?」
「爆発?」
「いや、こっちの事だ。」
何とかジョーを車に運ぶ。
フランス車は乗りにくいと文句を言いながらも、自宅まで送ってくれる。
「で、お前は帰らないのか?」
「…やめたわ。」
ミラー越しに後ろを見る。
「我慢していたんだろうな…」
ハンドルを握りながらアルベルトが独り言のように言う。
「我慢…?」
「こいつはいつもそうだ、自分の幸せなんて考えてはいない。人の事ばかり考えている。今回だってお前を帰したくないのに、物分かりのいいふりをしていた、自分の気持ちを押し殺して…な」
後部座席でフランソワーズの膝枕で無邪気に眠っているジョー。
「昨晩も寝ていないんだろうな…」
電気が消えていたジョーの部屋。
真っ暗な部屋で一晩何を考えていたんだろう。
そう思うととても愛しい。
「しかし、面倒くさいオトコだな」
「…そうね。」
フランソワーズの目にも涙が光っていた。
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