13
アルベルトは無造作にジョーをベッドに「投げる」
それでも起きないんだから、どれだけ眠いのか…。
「後は大丈夫だな」
「ありがとう。」
「じゃ、俺は飯店に戻る」
アルベルトがジョーの部屋を出ようとした時。
「あ、アルベルト、この事は皆には内緒にしておいてね…特にジェットには言わないでね」
「ああ、解った」と言いながら、後ろ姿で手を振るアルベルト。
アルベルトが家を出た音がした。
ジョーは相変わらず熟睡している。
フランソワーズはジョーの涙で濡れてしまった自分の衣服を替えに行く。
あ…スーツケース、パリに行っちゃった…。
何だか可笑しくなる。
私たちってややこしい。
何故遠回りしないとお互いのホントの気持ちがわからない?
ジョーの部屋に戻り、ジョーが着ているジャケットを苦労して脱がす。
「困った人よね」
ジャケットをクローゼットに掛けると、フランソワーズもジョーの脇に横になる。
眠っているジョーを抱き締める。
「あなたの不安がなくなるまで、私はどこにも行かないから」
フランソワーズもいつのまにか眠ってしまった。
…ここは?!?
…自分の部屋?
ジョーはゆっくり目を開ける。
自分が何故ここで眠っていたのか考える。
何か柔らかいものが自分を包んでいるような…。
…。
…。
え???
「フランソワーズ!?」
記憶を辿ってみる、
!!!
もしかして…。
ものすごーく恥ずかしいことをしてしまった…ような…。
ここに自分がいるということは、誰かに迷惑をかけている…間違いない。
あ゛あ゛あ゛あ゛~!!
言い訳…考えなきゃな…。
でも…。
そんなことは後で考えよう。
今はまだこのままでいたい。
キミが目覚めたら正直に言おう。
「キミの事を嫌いになる筈がない…」
フランソワーズに抱き締められながら、再び目を閉じる。
サイドテーブルに上がっていた携帯には一通のメールが入っていた。
「妹をよろしく頼む。日本酒早く送ってくれよ。」
おしまい
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