あれから1年
手を離したのはボクだった。
やりたい事があるという彼女を止める事はできなかった。
満開の桜を1人見上げる。
写真を撮り、彼女に送ってみた。
パリはもう夜だろう。
ジーンズのポケットに携帯を入れ歩き出す。
間も無く携帯が震えた。
「写真ありがとう」
彼女からだった。
「そっちはどう?」
しばらく返事がなかった。
「桜を見たら日本に戻りたくなっちゃった」
きっとやりたい事がうまくいっていないんだろう。
「早く帰らないと桜散っちゃうよ」
「そうね、でも」
ただ弱音を吐いただけだという事位わかっていた。
「来年は…一緒に桜見れたらいいね」
「そうね」
通話を終えると、再び携帯をポケットに入れた。
離してしまった手を後悔したくない。
だから頑張って欲しい。
そしていつかまた一緒に桜を見たい。
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