フランソワーズは走っていた。
ミチの姿が見当たらない。
「まさか…」
ナツはジェットと対峙している。
博士の居場所が分かっている以上、ここから先に通すわけにはいかない。
「そこをどけろ!」
「いーや、どかないね」
「どかなければお前から片付ける事になる」
「それはこっちのセリフだ」
「ジェット!」
フランソワーズがやってくる。
「ミチさんがいないのよ!」
「何?」
ジェットが一瞬油断をした隙に、ナツは銃をジェットに向ける。
「あ、危ない!」
フランソワーズが瞬時にジェットをかばう。
その時、フランソワーズの前に何かが立ち塞がる。
「ミチさん!!」
「ナツ、もうこんな事はやめて!」
ミチはナツの目の前に来ると、ナツの持っている銃を降ろさせる。
「あなたはそんな事をする人ではないわ、あのオメガ博士に操られているだけなのよ、私と一緒に帰りましょう。」
まるで子供を説得するようにゆっくりと話す。
「何を言っているんだ」
「ミチさん、ナツさんは記憶を奪われているのよ!あなたの知っているナツさんではないわ!」
フランソワーズが後ろから叫んでも、ミチは振り返ることなく、ナツの目の前から離れようとしなかった。
「ナツ、覚えている?あの桜の木を。今年も満開よ、一緒にお花見に行くって約束していたわよね」
ナツは黙ったまま、ミチを見ていた。
欠けている記憶を必死に取り戻そうと努力しているように見えた。
「何をやっている!そんな女に用事はない!」
オメガはそう言うと、ミチに向かって銃を向けた。
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