パリに滞在するのも今日まで。
今夜のフライトで日本に帰る。
フランソワーズは昨日の事も今朝ジョーが寝ている間の事も何事もなかったかのように、いつもの笑顔でジョーを案内していた。
3日間何も不穏な事もなく、彼女1人帰してあげる事も近いうちに叶うのでは?そんな事をジョーは考えていた。
今は全て失ってしまったかもしれないけれど、また少しづつ得ていけばいい。
そんな事を考えていたジョーに、フランソワーズが耳打ちする。
「ジョー、誰かにつけられているわ」
最後の最後に現れたのか?
今まで監視されていたのか?
やはり…まだ無理なのか?
ジョーはフランソワーズの指示した方向に回り、つけていたと思われる人物の背後に着いた。
「あ、ジョー!待って!」
ジョーがその人物を押さえつけようとした時、フランソワーズが叫ぶ。
「何?」
「ごめんなさい、知り合いだわ」
フランソワーズはつけてきていた人物の前に立つ。
ジョーは警戒しながらもフランソワーズの後ろに移動する。
その時つけてきていた人物の顔を見る。
「…昨日の…」
その男は昨日の昼、フランソワーズのテーブルに来て、夜はレストランで一緒だった男。
「ランディ!どうしたの?」
フランソワーズはその男をランディと呼んだ。
「ちょっと話…出来るかな?」
ランディはジョーをちらりと見た。
「知り合い?」ジョーはフランソワーズに聞く。
「…ええ」
「じゃあちょっと向こう行っているよ。」
平然を装いその場を去ろうとするジョーに
「…ここに…いてくれる?」とフランソワーズが言う。
その声が助けを求めているようだったので、ジョーは少し下がって2人から距離を取った。
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