「どうしたんだ?」
ジョーがびしょ濡れのフランソワーズに駆け寄る。
フランソワーズはジョーを見上げた。
びしょ濡れの髪が顔に貼り付いていた。
目からは涙。
「何かあったの?」
心配するジョーはフランソワーズの肩に手を置いた。
その手を振り切る。
「放っておいて!」
彼女が何を言っているのかわからなかった。
「どうして?」
「いいからっ!」
ジョーは大きくため息をつくと、少し乱暴にフランソワーズの手を引く。
「何があったか知らないが、びしょ濡れのキミを放っておける訳ないだろう?風邪でも引かれたら博士達に怒られる」
フランソワーズはジョーの言葉を聞いて、引かれていた手を振りほどく。
「あなたは博士達の為に私をここに連れてきたの?もういいわ、放っておいて!
」
ジョーはとっさにフランソワーズを抱きしめる。
「とにかく…落ちつけよ…何があったかはその後だ」
ジョーの行動に最初はハッとなったフランソワーズだったが、ジョーか声のトーンを落としてきたので、抵抗することなくジョーの胸に顎を当てる。
ホテルに戻ると、ドアマンが慌てて2人にタオルを渡す。
「急な雨でしたからね」
びしょ濡れの2人を気遣う。
「メルシー」
黙って俯くフランソワーズに変わり、ジョーがドアマンに会釈する。
エレベーターに入ると、ジョーはフランソワーズの頭にタオルをかける。
「とりあえずシャワーを浴びて着替えよう。落ち着いたら話を聞くから、後で俺の部屋に来て」
2人は向かい合わせにドアを閉めた。
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