自分だけ過去に取り残されていた。
周りは自分のいない時間を進んでいた。
そんな事わかっていたのに…
何を期待していたのだろう…
フランソワーズは目を覚ます。
昨日の夜の事を思い出す。
「あ!」
ヘッドから飛び起きる。
部屋にあるソファーでジョーは眠っていた。
「いやだ…私」
ヘッドから起き、ソファーに近づく。
身体を丸めて眠っているジョーに起こさないようにブランケットを掛ける。
ソファーの脇で膝をつき、眠っているジョーを眺める。
昨日雨の中抱きしめられた時、尖っていた心が溶けていくような感じがした。
ここで泣いた時もただ黙って気が済むまで泣かせてくれた。
彼はとても暖かく、優しかった。
「ありがとう、もう大丈夫だから」
フランソワーズはジョーの顔に近づいた。
そっとキスをすると部屋を出た。
パタン、とドアの音がした。
ジョーは目を開ける。
「今…何が?」
信じられないと言った顔で唇を押さえた。
「お国柄…は口じゃないよな…」
フランソワーズの気持ちが読めないまま、ジョーはその場に呆然としていた。
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