彼女の隣にいた男
バレエの公演で常に側にいる。
彼女が人間らしく生きている時に、いつも側にいる。
側にいれる…
そう思うと腹立たしく思えたが、大人気ない態度だけは避けたかった。
彼女が大切にしている世界なのだから…
その場はすぐ立ち去ったが、心は穏やかではなかった。
離れていても心は繋がっている…
そう思っているのは自分だけなのかもしれない。
波風を立てる気なんてないのに、気がつくとバレエのスタジオの前にいた。
彼女はいないようだ。
大きな窓からこっちを見ているのが分かった。
レッスン生の女の子達がこっちを指差しながら騒いでいる。
その時初めて自分の存在をわかる人が多い事に気づく。
日本はモータースポーツ人気はそれほどでもないし、宣伝活動もしていないから、あまり目立った事はなかった。
この国はそれなりにモータースポーツ人気なのかもしれない。
…目立ちすぎたか…
その様子に気づいたアズナブール先生が、ボクを別室に案内した。
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