前回作文に拍手ありがとうございます!
さて、今回はまたまた蔵出し2年物です。
またまたムダに長いですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。
続きからどうぞ。

1
ここの所秋晴れも続き、洗濯物もよく乾き…。
「ジョー、聞いているのかい?」
「…はい?」
「ボクはもうすぐ睡眠に入るんだから、ちゃんと聞いてくれないと困るよ!!」
「はいはい」
「はいは一回!!」
「は~い」
端から見たら若い父親と赤ん坊なのだろうが、実際は師匠と弟子…?いや、教師と生徒か。
イワンがコズミ博士の研究室と共同開発している新薬のデータの説明を、眠る前にジョーに指導している所なのだが、ジョーはある事情で体調不良なので、イワンの話が耳に入らない。
「大体テレビつけながらなんて…集中できるわけないだろ?」
赤ん坊に説教されてるよ…。
他人事で考えるとかなり笑える。
オムツも替えないぞ、ミルクも飲ませないぞ!!
…と、口に出すと「過去の女性関係の悪事」をフランソワーズにバラすぞ、と脅されるので出さない。
脅迫する赤ん坊なんているのかよ!!まったく。
「お腹すいちゃった、ミルク頂戴」
こういう時だけ赤ん坊なんだよな…。
ジョーはブツブツ言いながらミルクを作る。
「はい、出来たよ」
イワンの口に入れる。
飲み始めた。
しばらくするとイワンが乳首から口を離してこう言った。
「フランソワーズなら…」
やさしく抱っこしてボクがミルクを飲んでいるのを笑って見ていてくれる…なのにキミはなんだ!!
ゆりかごのままで哺乳瓶を口に突っ込んだだけではないか!!ボクを見ることなく視線はテレビのお天気お姉さんかよ!!
「ミルク作るだけでも感謝してもらいたいものだよな~!!」
ジョーがふてくされる。
「…ミルクは濃すぎず薄すぎず…温度もバッチリ…いい味だけどね」
ふーん、それ誉めてるんだ?
「バラすよ」
おぉ怖い!!
「それじゃあ続けるよ」
ジョーはイワンから哺乳瓶を受け取り、テレビを消し、パソコンを開く。
「こんにちは~!!」
シブヤのコズミ博士の研究室。
「あ、フランソワーズさんだ!!」
みな後ろを警戒する…が、誰もいない。
「今日は島村さんいないようだね」皆心の中でガッツポーズだ。
「ケーキ買ってきましたから、皆さんでどうぞ」
所長がフランソワーズを呼ぶ。
所長室に入る。
「ジョー君の具合はどう?」
「まだ拒絶反応があるらしくて、微熱が続いています。夜には高熱になるんです。」
ジョーは今、ギルモア博士とコヤナギ博士が共同で考案した新しい人工臓器の実験台となっていた。
自分達の身体の事の他に、ガンなどで臓器を失った人達の為の人工臓器開発も行っている。
ジョーにも生体部分がある為、新しい臓器を入れれば拒絶反応がある。
その数値も調べている為に、体調が戻るまで自宅療養となっている。
今はイワンが起きているから、体調や数値を見てもらえるが、イワンが寝てしまうと、フランソワーズが付きっきりとなる。
両博士は急な学会が入り留守な為、緊急事態の場合は近くに住むコズミ博士が対応する事になっていた。
「慰め程度かもしれないけど、これを飲ませるといい」
所長はある薬をフランソワーズに渡す。
「解熱剤だよ。高熱が出たら飲むと少しは楽になるでしょう」
「ありがとうございます。」
所長室をノックする音。
「失礼します」
お茶を持ってきたのは、新人所員だった。
「あ、ちょうどよかった、紹介しよう。新人所員のフィリップ君だ。」
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