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トモエがギルモア研究所に世話になる事になった日、歓迎の意味も込め、ダイジンが沢山料理を持ってきた。
沢山の中華料理に最初は驚いたトモエだったが、美味しいからもりもり食べ始めた。
トモエは人見知りしない天真爛漫さか、すぐみんなに溶け込んだ。
やはり…と言うべきか、トモエはジョーの隣にいた。
早坂博士の研究所にジョーが行っているのは知っていたが、トモエと面識があるのは知らなかった。
この状況に馴れている自分にも腹が立つ。
そっとその場を離れ、テラスに出る。
日中は暑かったが、夜になると少しは過ごしやすい。
デッキチェアに腰を降ろす。
星が綺麗だった。
「…どうした?」
様子が気になったのか、ジェットがテラスに出てきた。
フランソワーズのデッキチェアの隣に座る。
「…別に、外に出たかっただけよ」
「日本人の女の子は『ナマトナデシコ』って言うんだろ?ありゃあ違うな」
そう言いながらリビングで笑っているトモエを指差す。
「そうね、随分積極的よね」
ジェットはニヤリと笑い
「妬いてるのか?」とからかう。
「…妬く…かぁ…普通の女の子ならそうなんでしょうね」
フランソワーズがため息をつきながら言葉を吐く。
「ん?」予想外のフランソワーズの返事にジェットが首を傾げる。
「…見ちゃったのよ…」
「何を?」
「トモエさんが入ってきた時に、無意識に透視してしまったの、普通じゃないでしょ?」
ジェットはハッとした。
この前、フランソワーズと2人で戦地に赴いた時、瓦礫の下の遺体をフランソワーズが見つけてしまった。
見たくなくても見えてしまう…。
彼女の辛そうな顔に胸が傷んだ。
「普通って…何なんだろうな…。」
ジェットが星を見ながらポツンと呟いた。
「少なくても私たちは普通じゃないわよね」
寂しそうに笑うフランソワーズを、抱き締めたい衝動にかられろうになったが、それは俺の役目じゃないよな…と、リビングでトモエと談笑しているジョーを睨む。
その夜、ジェットは何となく眠れなかった。
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